日独韓共同修士プログラム TEACH

日独韓共同修士プログラムTEACH

TEACH

Transnational European and East Asia Culture and History

- ダブルディグリープログラム -

教育方針・カリキュラム

取り組むテーマ

TEACHに入学すると、日独韓という文化圏の組み合わせにかかわるテーマと取り組むことになります。(日独、日韓、韓独といった2国間に重点を置くことももちろん可能です。)各自の専攻に応じてさまざまなテーマ設定が可能ですが、中でも次の2つが大きな柱となり、授業などで取り上げられる予定ですので掲げておきます。ただし、各自の研究テーマ(修士論文のテーマ)は、かなり自由に選択することができます。(これまでのTEACH学生が選んできた研究テーマについては、「修士論文テーマ一覧」をご覧ください。)

日独韓3国に共通の近代化の経験

日本とドイツと韓国は、非常によく似た近代化のプロセスを経てきています。しばしばフランスやイギリスに比べて近代国家としての統一が遅れたドイツは、「遅れてきた国民」と評されますが、1871年の統一後、積極的に近代化を進めました。日本は特に法律や医学、政治、軍事、社会福祉制度、教育、そして学術などについて、ドイツの体系に倣って近代化を推し進めました。韓国は開国後、日本による植民地化の時代にかけて、ドイツと日本の両モデルに適応して近代化を進めました。こうして、日独韓の3国にしか例を見ないようなトランスナショナルな共通する近代化のディスクールが生まれることとなりました。こうした歴史はこれまでとかく、日独とか日韓といった比較の視座で論じられてきましたが、日独韓という3カ国からとらえ直すことで、硬直した2国間比較の見方を相対化し、新たな議論を展開できることが期待できます。

TEACH参加学生は、これらの国々の近代化や発展の経緯を比較することによって、何が共通し何が異なっていたのか、そしてなぜ近代化への適応が成功だったのか、もしくは失敗だったのかを分析し、それによって自国の社会発展を新たに認識したり、今後の発展の可能性について考察することもできることでしょう。

地域統合

第二次世界大戦後、欧州地域統合の問題はドイツにとって、またアジアにおける地域統合というテーマは日本、韓国にとって、大きな必要性を持つ課題となりました。ドイツはヨーロッパ統合の要となっており、日本と韓国は台頭する東アジア地域共同体の中核となっています。それぞれの政治活動は近代化における経験から大きく影響されている。他方で、地域統合の進捗度は、ヨーロッパとアジアでは明らかに大きく異なっており、その違いがどこから来るのか、また今後どのような展開が予想されるのか、さまざまなアプローチが求められています。TEACH学生たちは、地域間・国際間の関係においてこれらの国々がはたした独自の役割について分析を行なうこととなります。

進学から学位取得まで

進学選考

TEACHに入るには、筑波大学人文社会科学研究科の何れかの専攻(修士課程または前期博士課程)に入学後、TEACHへの参加希望を提出し、認められることが必要です。定員は各大学とも一学年6名です。TEACHの全ての学生は母校における修士課程に所属し、そこでの指導教員の指導のもとで、母校で定められた規定に従って最終的に修士論文を提出することになります。それに加えて、TEACHへの受け入れが決まった学生は、第二修士号取得を希望する修士課程(ボン大学または高麗大学)に受け入れ申請を提出します。TEACH運営委員会の推薦と、希望大学における選考を経て最終的に受け入れが決定した学生は、第2修士号取得希望大学からも、指導教員を指定されます。第2修士号取得のためには、中間論文(ジョイントリサーチ論文)を提出しなくてはなりません。なお、学位を取得しない留学パートナー校において滞在する際、その大学では特別聴講生(guest student)として留学することになります。

「渡り鳥」

TEACH進学後は、日独韓3大学の修士学生ができる限り一つのグループに集まって、学期毎に一つ所で共に学び、共に議論しながら、3大学を学期単位で渡り歩いて単位を履修することになります。筑波大学所属のTEACH学生の場合、全4学期のうち筑波・ボン・高麗大学に一学期ずつ滞在し、加えて残る一学期を母校である筑波大学、または第2修士号を取得する予定の大学にもう一学期滞在することになります。渡航費がかかりますので、大学から一定の補助がある予定です。

デュアルディグリー

TEACHカリキュラムの要件をすべて満たした学生は、母校において修士学位を与えられると同時に、第2修士号取得希望大学からも修士号を与えられます。(TEACHカリキュラムのすべてを満たすことができなかった学生、もしくはTEACHプログラム修了前にTEACHを中退した学生は、修士号を取得するためには、母校において修士課程を終えなければなりません。この場合第2修士号は与えられません。)

カリキュラム

TEACHのカリキュラムは3つのコア・カリキュラム科目により構成されます。なお、授業での使用言語は、開講大学にて使用されている国語(それぞれドイツ語、日本語、韓国語)、または英語とします。(必要に応じて言語についても3大学の学生が相互に助け合うことが求められます。)

ジョイント・リサーチ・セミナー

すべてのTEACH学生は、学期ごとに一つのジョイント・リサーチ・セミナー(JRS)を履修しなければなりません。JRSはすべての参加大学からのTEACH教員メンバーによって共同で準備され、開講される特別なセミナーです。このセミナーは、国際関係や比較文化学に関する方法論的、また実践的なリサーチを網羅するものでビデオ会議、少人数での自主研究等も含まれます。

地域研究

すべてのTEACHの学生は、ドイツ及びヨーロッパ、日本、韓国、そして東アジアの、歴史、文化、政治、三か国の社会に関する研究を網羅する地域研究の必修授業を受けなければなりません。

  • – ドイツ及びヨーロッパ地域研究の授業はボン大学にて開講
  • – 日本及び東アジア地域研究のコースは筑波大学にて開講
  • – 韓国及び東アジア地域研究のコースは高麗大学にて開講

専門外国語

すべてのTEACH学生は、所属機関における国語に加え、協定校における国語の言語スキルも習得しなければなりません。外国語学習のレベルは、各人の言語能力に対応して設定します。筑波から入学するTEACH学生は原則として、ドイツ語か韓国語の何れかが修論執筆可能な上級レベルに到達しなくてはなりません。たとえばドイツ語が上級の場合、韓国語はこれから学び始めるのでもかまいませんが、TEACHプログラムでは両言語を集中的に学ぶことになります。

なお、TEACHのカリキュラムにおいて取得したすべての単位は、TEACH参加大学間において自動的かつ相互的に認定されることになります。ボン大学におけるECTSによる10単位は筑波大学と高麗大学の3単位(CP)に相当します。